◆日薬ニュース 号外−27
日薬ニュース 号外が出されましたのでお知らせいたします。

日薬ニュース

号外    平成12年11月20日(月)
発行:社団法人 日本薬剤師会(広報課)
Tel:03-3406-1171 Fax:03-3406-1499
http://www.nichiyaku.or.jp/


厚生省:塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)含有医薬品に関するわが国の対応決定

米国FDAにおけるPPA含有製剤への対応については、117日付け日薬ニュース号外で速報したが、本日、厚生省はわが国における対応を決め、PPA含有医薬品を製造、販売する関係企業に対し、添付文書の改訂、薬局・薬店等への注意喚起文書の配布、消費者に渡す注意文書の作成等の対応を指示した。

添付文書の「使用上の注意」の改訂内容は下記の通りである。

[一般用医薬品の場合] ( )内は日薬注

ア.次の診断を受けた人は服用しないこと

高血圧、心臓病、甲状腺機能障害(相談すること」の項目から「しないこと」の項目に変更)

イ.脳出血を起こしたことがある人は服用しないこと
  
(「しないこと」の項目に新規追加)

ウ.過量服用しないこと(「しないこと」の項目に新規追加)

エ.モノアミン酸化酵素阻害剤(塩酸セレギリン等)で治療を受けている人は医師又は薬剤師に相談すること(「相談すること」の項目に新規追加)

オ.まれに重篤な症状として脳出血が起こるおそれがあること(重篤な症状の項目に追加記載)

[医療用医薬品の場合]

ア.禁忌 

高血圧症の患者、脳出血の既往歴のある患者

イ.重大な副作用

脳出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと

ウ.過量投与

外国において、過量投与により脳出血の危険性が高くなるおそれがあるとの報告がある

 

また、それら製薬企業への指示に伴い、厚生省から日本薬剤師会に対しても、傘下薬局・薬店での服薬指導の徹底について、周知方の要請があった。是非、消費者の服薬指導にあたっては「使用上の注意」を十分伝えるとともに、過量服用等の不適性使用のないよう、指導願いたい。


調剤過誤の防止対策を

 最近、残念なことに薬局の調剤過誤のニュースが時々見られる。典型例は、神奈川県川崎市の薬局において、本来セルテクト(抗アレルギー薬)を調剤すべきところ、誤ってセレネース(向精神薬)を調剤してしまい、これを服用した10人中8人が緊急入院したという事故である。原因は、購入したセレネースを調剤用の小型容器に移し替える際、誤ってセルテクトの容器にいれてしまったと推測されている。その他、福島県会津若松市では、アレビアチン10倍散とアレビアチン細粒(97%)を取り違えて調剤してしまった事故も報道されている。

 これらは、決してあってはならない重大な過誤であるが、原因の殆どは、単純なケアレスミスである。会員各位においては、日常業務を再度見直し、調剤過誤防止対策に万全を期されるよう、切にお願いしたい。

 なお、日薬誌(平成1010月号)に「調剤過誤防止マニュアル」を掲載しているので、参考にしていただきたい。


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