◆日薬ニュース第47号
日薬ニュース 第47号が出されましたのでお知らせいたします。

日薬ニュース

第47号    平成14年11月18日(月)
発行:社団法人 日本薬剤師会(医薬保険課)
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最近のニュース

日薬、自民党・医療提供体制改革WGで意見表明 

日薬は、平成14年11月13日に開催された自民党医療基本問題調査会・医療提供体制改革WG(清水嘉与子主査、阿部正俊副主査)のヒアリングに出席し、医療提供体制における薬剤師・薬局の役割について意見を表明した。

 ヒアリングでは、まずはじめに「医療を巡る環境の変化」として、@急速な高齢化、A疾病構造の変化、B医療技術の高度化、C医療サービス提供場所の変化(在宅医療等)、D医療に対する国民の関心の高まりといった背景・要因があると指摘。その結果、患者側の視点としては「医療の質のさらなる向上」「患者への情報提供」「患者の選択と納得に基づく医療」等が、また医療提供側の視点としては「医療機関内や地域におけるチーム医療の進展」がそれぞれ求められているとした。

 その上で、まず医療機関における薬剤師の役割については、入院患者を対象とした病棟業務や医療安全対策への関わりがますます重要になっていると述べるとともに、これらの業務を適切に遂行していくためには現状の員数規定では不十分とし、配置基準の拡充を求めた。

 一方、薬局・薬剤師の役割については、かかりつけ薬局(薬剤師)として求められる機能や、疑義照会・患者への情報提供・在宅医療・調剤事故防止等に向けた取り組みを等を説明し、地域医療の中でかかりつけ薬局(薬剤師)機能が十分発揮できるよう、医療提供体制における薬局・薬剤師の明確な位置付けとその活用を要望した。さらに、医療機関・薬局のそれぞれにおいて薬剤師がきちんと役割を果たしていくためには、薬剤師のなお一層の資質向上を進めることが重要とし、薬学教育6年制の早期実現等について、必要性を訴えた。

「一般薬承認審査合理化等検討会」中間報告まとまる

 一般用医薬品のあり方や審査体制について検討してきた厚生労働省「一般用医薬品承認審査合理化等検討会」(座長:木下眞男東邦大学名誉教授)の中間報告がまとまった。

 中間報告では、一般用医薬品を『一般の人が、薬剤師等から提供された適切な情報に基づき、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品であって、軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とするもの』と定義し、これらに基づく一般用医薬品の範囲見直しについて、提言している。

 また、スイッチOTC薬の開発について、『生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防や生活の質の改善・向上等の分野についても積極的に開発を進め、国民の選択肢を拡大することが望まれる』等と言及。この他、関係者の役割、使用実態試験、漢方薬・生薬の活用、剤形の多様化、安全対策・市販後調査の強化、再評価の推進、情報提供の拡充、審査体制の整備等についても幅広く提言したものとなっている。厚生労働省では、本報告書を薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会に報告し、今後の行政施策に反映させていく予定。(中間報告書の全文は、日薬誌12月号参照)

文科省・薬学教育調査研究協力者会議開催される

 文部科学省の「薬学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」(座長・末松安晴国立情報学研究所長)の第2回会議が、平成14年11月15日に開催された。当日は事務局より、医学・歯学教育の改革、臨床実習開始前の学生評価のための共用試験システム及び専門職大学院制度創設に関わる学校教育法一部改正法律案の概要等が説明された。

 その後、項目毎にまとめられた第1回会議意見の中から、@薬学教育への期待、A薬学研究・薬学研究者養成教育と薬剤師養成教育、B薬剤師の役割と薬剤師養成教育、C薬学研究の在り方・可能性の4点に絞って意見が交換され、

『薬剤師には患者や家族の薬の良き相談相手になってほしい。そのために心理学等を学ぶなど心の対応も考えてほしい』

『現場では医療の進歩にリアルタイムに対応できるよう継続教育を期待したいし、大学にいつでも戻れる教育体制が必要ではないか』

『今後の医療はゲノム創薬に伴うテーラーメイド医療が主流になる。医療の心を持った創薬が必要で、薬学研究と医療は不可分の関係になり、薬学研究者養成と薬剤師養成は区別して考える必要はない』

『薬学をもっと国際的視点から考えるべきで、世界で活躍できる人材の養成が急務である』

『病棟薬剤師が常駐することで患者の心が和らぎ、治療効果が上がっている。その役割に期待したい』

『臨床をしっかり学んだ薬剤師がその経験を活かし創薬に携わってほしい』『今後は生命の世紀となり、薬学は大いに発展できる場がある。自らが課題を見つけて探求できる学生を育ててほしい』

等々、幅広い意見が出された。次回は、「カリキュラムの在り方」を中心に、12月13日に開催の予定。

薬の説明者は“薬局の薬剤師”がトップ

 処方された薬について説明してくれた人は、「院外の薬局の薬剤師」が54.3%と最も多く、「医師」(42.1%)や「病院・診療所の薬剤師」(29.5%)を上回ったこと等が、この程、日本製薬工業協会がまとめた「第3回くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」結果により明らかとなった。

 同調査結果によると、処方薬を受け取るのは「院外の薬局」と回答した人が51.5%と過半数を占め、前回(99年調査)の36.9%に比べ14.6ポイントもの増加となった。また、かかりつけの薬局が「ある」と回答した人は30.1%(前回26.3%)で、かかりつけ薬局がある人の比率は年齢層が高くなるほど多くなっている。

 処方された薬を「どちらかと言えば病院や診療所の窓口で受け取りたい」と回答した人は52.4%(前回59.1%)で、「どちらかと言えば院外の薬局」とした人25.3%(前回17.3%)を上回ったが、この差は前回調査に比べて大きく縮まっている。この結果について、同協会では「医薬分業への支持(利用意向)が増加している」と分析している。また、院外の薬局を選んだ理由として最も多かったのは、「薬についてよく説明してくれる」(73.1%)で、高年齢層では「応対が親切」(50歳以上の50.0%、70歳以上の73.7%)が高い比率を占めた。


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