◆院外処方せん発行に伴う疑義照会の徹底等について
院外処方せん発行に伴う疑義照会の徹底等について」通知が出されましたので
お知らせいたします。

日薬業発第137号

 平成12年9月20日

 

   都道府県薬剤師会会長 殿

 

   日本薬剤師会             

     会 長  佐 谷 圭 一

院外処方せん発行に伴う疑義照会の徹底等について

 

 平素より、本会会務に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、徳島県立三好病院(徳島県池田町)で脳障害の治療を受けていた男性患者(40歳)が、本年7月、院外処方せんによって薬局で受け取った薬を服用し、けいれんや意識障害を起こして1カ月入院する事故が発生しました。事故の経緯は別紙のとおりですが、抗てんかん剤「アレビアチン」10倍散2gを処方されるところを、誤って原末2gを処方され、薬局が疑義照会の上そのまま投薬したことが原因と推測されています。

 薬剤師法第24条では、「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない」とされており、また、薬局業務運営ガイドラインでは、「疑義照会を行った場合はその記録を残しておくこと」とされています。今回の事故では、疑義照会先が不明確であったことと、その記録が不十分であったことが指摘されています。

 本会では、平成10年9月、調剤過誤防止マニュアル(日薬誌.同年10月号)を策定し、類似する名称や複数の濃度・規格がある医薬品等についてはその取扱いに留意するよう周知を図ったところであり、特に今回の対象医薬品であるアレビアチンについては、有効域と中毒域が近いために重大な医療事故を起こす可能性が高いことから、注意喚起を行ったところであります。したがいまして、今回、当該薬局が疑義照会を行ったにせよ、このような事故が起きたことは誠に残念でなりません。

 本会では、今回の事故を重く受け止め、リスクマネジメント特別委員会を中心に薬局における調剤過誤の一層の防止対策に取組む所存であります。貴会におかれましても、院外処方せんの発行に伴う処方医への疑義照会を会員薬局に徹底するなど、下記の事項を中心に薬局における調剤過誤防止対策に一層のご尽力を賜りたく、ご高配の程、お願い申し上げます。

 

1.疑義照会及びその記録の徹底について

 会員薬局においては、「処方せん中に疑義が生じた場合には、薬剤師が処方医に直接疑義照会を行い、疑義が解決した後でなければ調剤してはならない」原則を徹底されたいこと。

 疑義照会を行った結果、薬剤師が薬学的見地から疑義が解決しないと判断する場合には、調剤することが適当でないと判断せざるを得ない場合もあることを認識すること。

 なお、疑義照会を行った場合には、その責任の所在を明確にするため、薬局側の質問者名と質問の内容、及び医療機関側の回答者名と回答の内容を薬歴に記録すること。

 

2.特に注意を必要とする医薬品の取扱いについて

 会員薬局においては、フェニトイン(アレビアチン)、ジギタリス製剤(ジゴキシン)、フェノバルビタール、インスリン、抗ガン剤及び麻薬等の規格・濃度の違いが重大な事故を起こす可能性が高い医薬品について、特に処方せんの確認や医薬品の取り間違いに留意すること。

 なお、複数の規格・濃度、類似する名称が存在するなど、取り間違いが生じやすい医薬品については、「調剤過誤防止マニュアル」(平成10月9月10日付.日薬業発第104号.日薬雑誌.平成10年10月号)を参考とされたいこと。

 

3.処方せん発行医療機関との話し合いについて

都道府県薬剤師会及び処方せん発行医療機関のある地元支部薬剤師会においては、どこの薬局でも間違いなく調剤できるよう、複数の規格・濃度、類似する名称が存在する医薬品等については規格・濃度等まできちんと処方せんに記載するよう、当該医療機関と話し合いを行うこと。

 また、疑義照会の方法についても、県薬及び地元支部薬剤師会が中心となり、当該医療機関と十分な話し合いを行うこと。疑義照会は薬剤師が処方医に直接行うものであるが、処方医に連絡がつかない時の対応や、大型病院の場合には院内薬剤部の協力体制等についても話し合いを行うこと。

 以 上

通知本文、参考、別紙 (PDF形式、日薬ホームページへのリンク)