◆ミノキシジル製剤の安全使用の徹底について
「ミノキシジルの安全使用の徹底について」通知が出されましたので
お知らせいたします。
本情報は、3日、日薬ニュース号外として登録されている会員へFAXにて
お知らせしています。
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医薬安第148号
平成11年12月3日
社団法人日本薬剤師会会長殿
ミノキシジル製剤の安全使用の徹底について
ミノキシジル製剤については、医薬品等安全性情報(No.157)により、本剤使用
後に動悸、胸痛等の異常が認められた場合には直ちに使用を中止し、医師又は
薬剤師に相談するよう注意喚起を徹底するとともに、これらの好ましくない症
状の情報が得られた場合には医薬品等安全性情報報告制度による報告をお願い
したところであるが、その後、狭心症、高血圧等の既往のある患者が本剤を使
用したところ循環器系の副作用が生じたとの報告がある。
本剤の使用上の注意では、既に「高血圧の人、低血圧の人」及び「心臓又は腎
臓に障害のある人」は使用前に医師又は薬剤師に相談することとされているが、
その中でも特に「高血圧、低血圧で現在治療を受けている人」及び「狭心症等、
心臓に障害のある人」に対する安全使用の徹底を更に図るよう、貴会会員への
周知方お願いしたい。
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(記者発表資料)
ミノキシジルの安全使用の徹底について
1.副作用の報告状況
「ミノキシジルと動悸・胸痛等」に関する「医薬品等安全性情報(No.157)」
を公表(11月9日)し、安全性の確保の観点から、薬局・薬店での販売時に、使
用中あるいは使用後に好ましくない症状があらわれた場合には、直ちに使用
を中止し、医師又は薬剤師に相談するよう注意喚起を徹底するとともに、動
悸、胸痛等の好ましくない症状の情報が得られた場合には医薬品等安全性情
報報告制度による報告をお願いしたところである。
以後、12月2日までに循環器系の副作用が医療機関等より13例報告されてお
り、そのうち7例については狭心症・高血圧等循環器系の既往のあるものであ
った。その他にも消費者、家族等からの情報に基づく報告も約30例あり、現
在詳細な調査を実施しているものの、情報不足のため評価は困難である。
2.対応策
ミノキシジルと循環器系の副作用との関連性については、米国において行われ
た約20,000例の疫学調査で関連がないとの績果が得られており、直ちにミノ
キシジルとの関係を疑うことは難しいと考えられる。しかしながら、報告され
た症例は狭心症、高血圧等循環器系の既往のある者が多かったことから、
「高血圧、低血圧で現在治療を受けている人」及び「狭心症等、心臓に障害の
ある人」に対する安全使用の徹底を図るため、以下のような対応を行うことと
した。
(1)(社)日本薬剤師会及び各都道府県を通じ、薬局等において購入者に対し
既往歴等の確認を行い販売するよう指導を徹底する。
(2)製造業者に対し、外箱の表示等を改善し、狭心症、高血圧等の既往のあ
る者は、購入前に医師・薬剤師に相談するよう注意喚起を徹底する。