1 ポリカーボネート製などの医療用具の破損(クラック)について
医薬品等: ポリカーボネート製などの医療用具の破損(クラック)について
情報の概要:ポリカーボネート樹脂は、その特徴として、耐衝撃性、耐熱性、透明性などが
挙げられ、また精密な成形が可能であることから医療用具の分野で広く使用され
ている。一方、その欠点として耐薬品性及び伸展強度の弱さが挙げられており、
全身麻酔剤プロポフォールや免疫抑制剤シクロスポリンにより、当該樹脂製の
三方活栓に破損(クラック)が生じたとの報告がされているところである。
このことから、脂肪乳剤(又は脂肪乳剤を含有する製剤)、油性成分、界面活
性剤及びエタノール等の溶解補助剤を含む注射剤によるポリカーボネート製医
療用具の破損発生リスクについて、日本医療器材工業会を中心に検討した結
果が取りまとめられたので紹介する。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: 塩酸エタンブトール、塩酸チクロピジン、塩酸ミルナシプラン、シスプラチン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.195)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.196号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
アジスロマイシン水和物、インターフェロンアルファ(NAMALWA)、
インターフェロンアルファ−2a(遺伝子組換え)、
インターフェロンアルファ−2b(遺伝子組換え)、
インターフェロンアルファコン−1(遺伝子組換え)、
インターフェロンベータ、塩酸セベラマー、クエン酸マグネシウム、
リバビリン
前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.193)以降に改訂を指導した医
薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等と
ともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.195号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 経口腸管洗浄剤「ニフレック」等による腸管穿孔及び腸閉塞について
医薬品等: 塩化ナトリウム・塩化カリウム・炭酸水素ナトリウム・無水硫酸ナトリウム配合剤
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:経口腸管洗浄剤(塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、無水
硫酸ナトリウム配合剤)については、平成12年3月に、使用上の注意の「重大な
副作用」の項等に「腸管穿孔」に関する記載を追加して、医療関係者の注意を喚
起してきたが、使用上の注意の改訂後も、腸管穿孔について死亡例4例を含む
5例が報告されているほか、腸閉塞についても、発売以来、死亡例1例を含む7例
が報告されていることから、今般、改めて警告欄を含め使用上の注意を改訂する
とともに、「緊急安全性情報」等を医療機関等に配布して、腸管穿孔、腸閉塞に
ついて医療関係者の注意を喚起することとした。
2 インフルエンザウイルス抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品
の自主点検結果及び適正使用について
医薬品等: インフルエンザウイルス抗原検出試薬
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:インフルエンザウイルス抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品(インフル
エンザウイルス抗原検出試薬)には、EIA法、イムノクロマト法等様々な測定法の
ものがあり、それぞれの添付文書には、感度、特異性、再現性等の性能情報が記
載されている。
今般、インフルエンザウイルス抗原検出試薬について現時点での検査技術水
準等を踏まえた適正使用情報を医療関係者に提供するため、事前に作成した共
通の試験方法に基づいて各企業が実施した自主点検の結果がとりまとめられた。
本号では、企業が実施した自主点検結果を紹介する他、この結果を踏まえ、イン
フルエンザウイルス抗原検出試薬の使用上の注意等、添付文書の記載内容の一
部が改訂されたので、医療関係者に対して使用上の注意、性能情報等に留意の
上、診断目的に応じた製品を選択する等、適正使用を呼びかけることとした。
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1 塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する医薬品による脳出血に
係る安全対策について
医薬品等: 塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する医薬品
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:最近、塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)を含有する医薬品において企
業及び医療機関等により厚生労働省に続けて脳出血等の副作用症例が4例報
告され、以前米国の疫学調査結果を受けて脳出血について注意喚起を行った
平成12年11月以降、前述の4症例を含め一般用医薬品で5例、医療用医薬品で
2例の副作用症例が収集されたことから、PPAを含有する医薬品について使用
上の注意の改訂、情報提供の徹底並びに代替成分であるプソイドエフェドリンを
含有する医薬品等への速やかな切り替えを行うこととした。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
インターフェロンガイマ−1a(遺伝子組換え)、
エポエチンアルファ(遺伝子組換え)、エポエチンベータ(遺伝子組換え)、
コルヒチン、ボグリボース
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.192)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
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1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
イソニアジド、インフルエンザHAワクチン、塩酸ノギテカン
スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム配合剤、バルサルタン
フルオロウラシル、リン酸オセルタミビル
前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.191)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
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1 一般用かぜ薬による間質性肺炎について
医薬品等:
アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド
サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン又は
イソプロピルアンチピリン等を含有するかぜの諸症状の緩和を効能又は
効果とする一般用医薬品
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:一般用かぜ薬において、死亡例はないものの計16種類の製品群(有効成分
の種類及び含量が同一のものを1製品群とする。)における計26症例が当該医
薬品との因果関係を否定できない間質性肺炎の症例であると考えられたことか
ら、これら16製品群の計42品目の一般用かぜ薬について、「間質性肺炎」に関す
る注意喚起を行った。
更に、これらの一般用かぜ薬と同様の成分及び薬効を有する一般用かぜ薬に
ついても、これまでに間質性肺炎の報告はないものの、同様の使用上の注意事
項の変更を行うことが適当であると考えられたことから、一般用かぜ薬全般につ
いても、「間質性肺炎」に関する注意喚起を行った。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化マグネシウム・塩化カルシウム・
炭酸案水素ナトリウム、塩酸アマンタジン、ザフィルルカスト、
サラゾスルファピリジン、ナテグリニド
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.190)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.191号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 ワイヤレスカードシステム等から発射される電波による植込み型の
医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)への影響について
医薬品等: 植込み型の医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)
情報の概要:携帯電話端末等による医用機器への影響については、医薬品副作用情報
No.136(平成8年3月号)、No.137(平成8年5月号)及びNo.143(平成9年6
月号)において注意喚起を行ってきたところである。
総務省において、平成12年度より「電波の医用機器等への影響に関する調査
研究」が実施され、今般、ワイヤレスカードシステム等から発射される電波の植
込み型の医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)に及ぼす影響についての
調査がまとめられたことから、当該報告の内容について紹介し、改めて医療関
係者等に注意喚起を行うこととしたい。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: ゲフィチニブ、炭酸リチウム、メシル酸パズフロキサシン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.189)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.190号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 DEHPを溶出しない輸液セット、カテーテル等の医療用具について
医薬品等: DEHPを溶出しない輸液セット、カテーテル等の医療用具
情報の概要:ポリ塩化ビニル製の医療用具から溶出する可塑剤DEHPについては、医薬
品・医療用具等安全性情報No.182において紹介したところであるが、今般、市
場に流通している、DEHPが溶出しない(いわゆる)代替品についての調査結果
が取りまとまったので紹介する。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
インフリキシマブ(遺伝子組換え)、ゲフィチニブ、プランルカスト水和物
メシル酸ペルゴリド、ロキソプロフェンナトリウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.187)以降に改訂を指導した医
薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等と
ともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.189号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 ゲフィチニブにおける市販後安全対策について
医薬品等: ゲフィチニブ
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ゲフィチニブは平成14年7月5日に承認された、手術不能又は再発非小細胞
肺癌に使用されている抗悪性腫瘍剤であり、同年7月16日から販売されている。
海外での承認事例がなく、我が国で初めて承認された医薬品である。ゲフィチニ
ブの副作用である「急性肺障害・間質性肺炎」については、現在までに緊急安全
性情報の配布、ゲフィチニブ安全性問題検討会の開催などにより安全対策が取
られてきているところであるが、今般それらについてまとめるとともに、改めて注意
を喚起することとした。
2 ガチフロキサシン水和物による重篤な低血糖、高血糖について
医薬品等: ガチフロキサシン水和物
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ガチフロキサシン水和物投与との関連性が否定できない重篤な低血糖症例
が75例、高血糖症例が14例報告され、このうち糖尿病患者は低血糖で58例、高
血糖で11例であったが、糖尿病でない患者においても発現していたことから、糖
尿病の患者を「禁忌」とするとともに、重篤な低血糖、高血糖が現れることがある
ので注意すること、本剤の投与に際しては糖尿病の既往の有無について十分確
認すること、糖尿病でない患者においても重篤な低血糖、高血糖が現れることが
あるので患者に十分な説明を行うことなどを「警告」及び「重要な基本的注意」に
記載する添付文書の改訂を行い、併せて「緊急安全性情報」の配布を行い、医療
現場への情報提供の徹底を図った。
No.188号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: アロプリノール、ヒドロキシカルバミド
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.186)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.187号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 「ハイドロヴュー眼内レンズ」使用患者におけるカルシウム沈着の
発生について
医薬品等: 眼内レンズ
情報の概要:ボシュロム・ジャパン株式会社が販売している眼内レンズ「ハイドロヴュー眼内
レンズ」の使用患者において、当該眼内レンズにカルシウム沈着が発生するという
症例が世界的に報告されており、さらに視力低下による当該眼内レンズの摘出症
例も報告されていたことから、国内においてもカルシウム沈着症例に関する情報収
集を行い、注意深く観察してきたところである。
これまでに報告された当該不具合は、すべてシリコーン製ガスケット製品による
ものであることから、当該不具合の発生原因として、製品のバイアルを密封するた
めのシリコーン製ガスケットのシリコーンが関与する可能性が示唆された。従って、
既に安全対策上の措置として、ガスケットをシルコーン製から他の材質に変更して
おり、変更後の製品においては、現時点で当該不具合の発生は認められていない。
しかしながら、既にシリコーン製ガスケット製品をインプラントされた症例に対す
る当該不具合の発生を引き続き、注意深く観察していく必要があることに加え、変
更後の製品における同様の不具合の発生の有無についても観察する必要がある
ことから、今回、当該不具合について紹介するとともに、注意喚起を行うものであ
る。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: エダラボン、塩酸イリノテカン、トリアゾラム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.185)以降に改訂を指導した医薬品
の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに
改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.186号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 IH式電気炊飯器等による植込み型心臓ペースメーカ、植込み型
除細動器及び脳・脊髄電気刺激装置(ペースメーカ等)への影響
について
医薬品等:
植込み型心臓ペースメーカ、植込み型除細動器、脳・脊髄電気刺激装置
(ペースメーカ等)
情報の概要:盗難防止装置、金属探知器及び携帯電話端末等から発せられる電磁波の影
響により、ペースメーカ等が誤動作を起こす可能性について、これまで、平成14
年1月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報No.173」及び平成14年7月発行の
「医薬品・医療用具等安全性情報No.179」等において広く注意喚起を行ってきた
ところであるが、今般、国内でIH(Induction Heating)式電気炊飯器の影響により
植込み型心臓ペースメーカの設定がリセットされたとの症例が報告されたことを
踏まえ、電磁気家電製品から発出される電磁波によって、ペースメーカ等が受け
る影響について製造業者等が自己点検を実施することとし、また、医療関係者
及びペースメーカ等を使用している患者に対しIH式電気炊飯器等の強力な電磁
波を出す可能性のある電磁気家電製品を使用する場合は、そのそばに必要以
上に長く留まらないこと、植え込まれたペースメーカ等が近づくような体位をとら
ないことについて注意喚起することとした。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: カルデサルタンシレキセチル、スルピリド
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.184)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等と
ともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
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