1 レフルノミドによる間質性肺炎について
医薬品等: レフルノミドによる間質性肺炎について
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:レフルノミドは、平成15年4月に承認された抗リウマチ薬である。発売開始後、
死亡例を含む間質性肺炎の副作用が報告されたことから、平成16年1月30日、
使用上の注意の改訂指示を行い、間質性肺炎等に対する注意喚起を行ったが、
その後も間質性肺炎の報告が継続して報告され、平成16年11月末日までに58症
例の間質性肺炎に関する副作用報告が集積されたことから、独立行政法人医薬
品医療機器総合機構の専門委員における呼吸器及び関節リウマチの専門家によ
り症例の評価・検討を行ったので、その結果について報告する。
医薬品等: 塩酸エピルビシン、
乾燥スルホ化人免疫グロブリン,pH4処理酸性人免疫グロブリン,
ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン,
乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、テリスロマイシン、
プレドニゾロン(経口剤)、ミゾリビン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.209)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.210号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: フタラール
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.208)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.209号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: インターフェロン(NAMALWA)、テリスロマイシン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.207)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.208号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: パクリタキセル、ラベプラゾールナトリウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.205)以降に改訂を指導した医
薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等と
ともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.207号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 注射用抗生物質製剤等によるショック等に対する安全対策について
医薬品等: 注射用抗生物質製剤等によるショック等に対する安全対策について
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:社団法人日本化学療法学会において皮内反応の有用性に関する検証が行わ
れ、皮内反応の中止及びそれに代わるショック等に対する安全対策に関する提言
がまとめられたこと及びこれを受けて、財団法人日本抗生物質学術協議会からも
皮内反応の廃止を求める要望書が提出されたことから、薬事・食品衛生審議会の
専門委員による検討を行ったので、その結果等についてお知らせするとともに、
注射用抗生物質製剤等の適正な使用についてお願いする。
2 イレッサ錠250プロスペクティブ調査(特別調査)調査報告書について
医薬品等: イレッサ錠250プロスペクティブ調査(特別調査)調査報告書について
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:ゲフィチニブは、「手術不能又は再発非小細胞肺癌」を効能・効果とする抗悪性腫
瘍剤であり、平成14年7月5日に海外に先駆け我が国で初めて承認された。
ゲフィチニブによる「間質性肺炎」については、承認時より添付文書の「重大な副
ら間質性肺炎を含む肺障害が厚生労働省に報告され、同年10月15日に急性肺障
た。更に、同年12月25日に医学・薬学等の専門家等からなる「ゲフィチニブ安全性
その指示に基づくプロスペクティブ調査の結果がまとまり報告されたので、紹介す
る。
3 血糖検査用グルコースキットの安全対策について
医薬品等: 血糖検査用グルコースキットの安全対策について
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:糖尿病の治療は、合併症の発症を抑制するためにも食事療法、運動療法及び
薬物療法による血糖コントロールが基本である。血糖コントロールの指標としては、
血糖値やHbA1cが測定されるが、近年、簡易血糖自己測定器の開発により自宅
でも血糖検査が行われるようになってきている。
今般、簡易血糖自己測定器を使用した患者で、低血糖を発症した事例等が報告
されたことから、その原因等の分析を行い、安全対策として添付文書の改訂を行っ
たので紹介する。
No.206号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 平成15年度インフルエンザワクチンの副反応の報告等について
医薬品等: 平成15年度インフルエンザワクチンの副反応の報告等について
情報の概要:平成15年度におけるインフルエンザワクチンの副反応の報告状況及び安全対
策をまとめたので紹介する。
平成15年度のインフルエンザワクチンの推定出荷本数は、約1,463万本であり、
薬事法に基づく副作用等報告による副反応は、162症例、259件(注射部位の発
赤・腫脹等26件、発熱18件、ショック・アナフィラキシー様症状14件、肝機能障害
12件、発疹等12件、意識消失等9件、関節痛7件、筋痛7件、ギラン・バレー症候
群7件、痙攣7件、喘息6件、下痢5件、他)であった。
2 塩酸チクロピジン製剤とCypherステントの市販後安全対策について
医薬品等: 塩酸チクロピジン製剤とCypherステントの市販後安全対策について
情報の概要:塩酸チクロピジンの安全対策については、医薬品等安全性情報No.156(平成11年
8月号)及び緊急安全性情報(平成11年6月30日、平成14年7月23日)において適正
使用をお願いしてきたところであるが、今般、Cypherステントの承認に伴い、当該ス
テントを用いた冠動脈ステント治療の安全対策のため、関係企業に対して、適正使用
周知をお願いしたので、当該通知の内容を紹介し、改めて医療関係者に注意喚起す
3 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: タクロリムス水和物(経口剤、注射剤)
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.204)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.205号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: アルガトロバン、クエン酸モサプリド
サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン
濃グリセリン・果糖
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.203)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.204号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 医薬品による重篤な皮膚障害について
医薬品等: 医薬品による重篤な皮膚障害について
情報の概要:医薬品の副作用として皮膚障害が発現することは、よく知られているところであ
る。皮膚障害のうち重篤なものとして、スティーブンス・ジョンソン症候群〔皮膚粘膜
眼症候群:Stevens-Johnson syndrome(SJS)〕、中毒性表皮壊死症(toxic spidermal
necrolysis:TEN)がある。
号)及びNo.177(平成14年5月号)において、その病態等の説明とともに、平成9年度
の状況等を紹介しているところであるが、その後の厚生労働省への副作用症例報
告を踏まえ、改めて注意を喚起することとした。
2 盗難防止装置等による電波の医用機器への影響
医薬品等: 盗難防止装置等による電波の医用機器への影響
情報の概要:盗難防止装置等による植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器への
影響については、医薬品等安全性情報No.155(平成11年6月号)並びに医薬品・医
療用具等安全性情報No.173(平成14年1月号)及びNo.190(平成15年6月号)にお
総務省において、平成14年度より2年間にわたり「電波の医用機器等への影響
に関する調査研究」が実施され、今般、盗難防止装置等から発射される電波の植
込み型の医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)に及ぼす影響についての調
査が電波産業会によってまとめられた。この調査研究の調査結果によると、医薬品
・医療用具等安全性情報No.173において紹介した指針は妥当であることが確認さ
れたことから、当該報告の内容について紹介し、改めて医療関係者等に注意喚起
を行うこととした。
3 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: オレイン酸モノエタノールアミン、クラリスロマイシン、
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、メルファラン(注射剤)
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.202)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.203号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 取り違えることによるリスクの高い医薬品に関する安全対策について
医薬品等: 取り違えることによるリスクの高い医薬品に関する安全対策について
情報の概要:「処方点検や調剤時、病棟への供給時に注意を要する医薬品」(日本病院薬剤
師会)にも示されているとおり、取り違えにより重大な事故につながるおそれのあ
る医薬品はある程度絞られており、これら注意を要する医薬品については、採用
状況の確認、間違え防止策の確認を今までもお願いしてきたところである。
検討ワーキンググループ」での議論も踏まえ、事故防止の観点から表示の改善が
てお願いする。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: インフリキシマブ(遺伝子組換え)、メシル酸イマチニブ、リン酸オセルタミビル
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.201)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.202号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: 塩酸クロフェダノール、塩酸フラボキサート、酒石酸ビノレルビン
フタラール、フルオロウラシル(注射剤)、メシル酸ドキサゾシン
リセドロン酸ナトリウム水和物
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.199)以降に改訂を指導した医
薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等と
ともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.201号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 オプチペンプロ1(インスリン自己注射用注入器)の使用に伴う
過量投与の防止について
医薬品等: 手動式医薬品注入器
対策: 緊急安全性情報の配布 症例の紹介
情報の概要:インスリン自己注射用注入器の使用に伴う過量投与の防止に関する緊急安
全性情報(No.03-02)を紹介するとともに医療関係者等に注意喚起を行う。
2 呼称が類似していることから、誤って輸入された場合に副作用が
問題となる生薬及び製剤について
医薬品等: 生薬(木通、防已、細辛、木香)
情報の概要:最近、アリストロキア酸を含有する広防已という生薬が誤って漢防已として国
内に輸入されて流通し、日本薬局方ボウイとして用いられ、アリストロキア腎症を
発症したと思われる事例が報告された。これらの生薬は形態が類似し、かつ、国
や流通過程での呼称も類似していることが、取り違えを起こしやすい原因の一つ
と考えられる。したがって、国内で承認された医薬品(生薬及び漢方製剤)では
問題とならないものの、渡航先での購入やネット販売による個人輸入の際に、ア
リストロキア酸の含有が疑われる生薬を用いた製剤を購入して服用する可能性
があることから、中国などで用いられる生薬と呼称が類似することにより副作用
等が問題となる生薬に関する注意点をまとめた。
3 独立行政法人医薬品医療機器総合機構設立に伴うホームページ
アドレスの変更
医薬品等: 医薬品情報提供のホームページの変更
情報の概要:4月より独立行政法人医薬品医療機器総合機構設立に伴い、医薬品医療機
器情報提供のホームページアドレスが変更されたお知らせをする。
4 健康食品・無承認無許可医薬品による健康被害について
医薬品等: 健康食品等による健康被害
情報の概要:健康食品・無承認無許可医薬品の健康被害については最寄りの保健所に連
絡するお願いをする。
No.200号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: 塩酸ベラパミル(経口剤)、ゾニサミド、レフルノミド
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.198)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.199号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: エダラボン、塩酸ランジオロール、コレスチミド、
酢酸クロルマジノン(25mg、50mg)、チアマゾール、パクリタキセル
ポリスチレンスルホン酸カルシウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.197)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.198号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 卵胞ホルモン製剤の長期投与と安全性について
医薬品等: 卵胞ホルモン製剤の長期投与と安全性について
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:平成14年7月、米国国立心肺血管研究所(National Heart,Lung and Blood
Institute)のWomen’s Health Initiative(以下「WHI」という)の研究の一部である
「閉経後女性を対象とした結合型エストロゲンと酢酸メドロキシプロゲステロンの
配合剤のリスクとベネフィットを評価する臨床試験」が中止されたことを受け、医
薬品・医療用具等安全性情報No.182(平成14年10月号)に「卵胞ホルモン/黄体
ホルモン併用長期投与と安全性について」の記事を掲載し、安全性にかかわる
情報を提供してきたところである。
その後、中止されたWHI studyについて、主要評価項目であった冠動脈性心
疾患だけでなく、脳卒中、乳癌、痴呆及び認知障害のリスクに関する研究成績が
公表され、また、英国で実施されたホルモン補充療法と乳癌のリスクに関する
Million women studyの疫学調査結果が公表されたことを踏まえ、使用上の注意
を改訂し、医療関係者に情報提供することとした。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: 塩酸テルビナフィン(経口剤)、
グルコン酸クロルヘキシジンを含有する製剤(口腔内適応を有する製剤)
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.196)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.197号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 ポリカーボネート製などの医療用具の破損(クラック)について
医薬品等: ポリカーボネート製などの医療用具の破損(クラック)について
情報の概要:ポリカーボネート樹脂は、その特徴として、耐衝撃性、耐熱性、透明性などが
挙げられ、また精密な成形が可能であることから医療用具の分野で広く使用され
ている。一方、その欠点として耐薬品性及び伸展強度の弱さが挙げられており、
全身麻酔剤プロポフォールや免疫抑制剤シクロスポリンにより、当該樹脂製の
三方活栓に破損(クラック)が生じたとの報告がされているところである。
このことから、脂肪乳剤(又は脂肪乳剤を含有する製剤)、油性成分、界面活
性剤及びエタノール等の溶解補助剤を含む注射剤によるポリカーボネート製医
療用具の破損発生リスクについて、日本医療器材工業会を中心に検討した結
果が取りまとめられたので紹介する。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: 塩酸エタンブトール、塩酸チクロピジン、塩酸ミルナシプラン、シスプラチン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.195)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.196号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
アジスロマイシン水和物、インターフェロンアルファ(NAMALWA)、
インターフェロンアルファ−2a(遺伝子組換え)、
インターフェロンアルファ−2b(遺伝子組換え)、
インターフェロンアルファコン−1(遺伝子組換え)、
インターフェロンベータ、塩酸セベラマー、クエン酸マグネシウム、
リバビリン
前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.193)以降に改訂を指導した医
薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等と
ともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.195号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 経口腸管洗浄剤「ニフレック」等による腸管穿孔及び腸閉塞について
医薬品等: 塩化ナトリウム・塩化カリウム・炭酸水素ナトリウム・無水硫酸ナトリウム配合剤
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:経口腸管洗浄剤(塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、無水
硫酸ナトリウム配合剤)については、平成12年3月に、使用上の注意の「重大な
副作用」の項等に「腸管穿孔」に関する記載を追加して、医療関係者の注意を喚
起してきたが、使用上の注意の改訂後も、腸管穿孔について死亡例4例を含む
5例が報告されているほか、腸閉塞についても、発売以来、死亡例1例を含む7例
が報告されていることから、今般、改めて警告欄を含め使用上の注意を改訂する
とともに、「緊急安全性情報」等を医療機関等に配布して、腸管穿孔、腸閉塞に
ついて医療関係者の注意を喚起することとした。
2 インフルエンザウイルス抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品
の自主点検結果及び適正使用について
医薬品等: インフルエンザウイルス抗原検出試薬
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:インフルエンザウイルス抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品(インフル
エンザウイルス抗原検出試薬)には、EIA法、イムノクロマト法等様々な測定法の
ものがあり、それぞれの添付文書には、感度、特異性、再現性等の性能情報が記
載されている。
今般、インフルエンザウイルス抗原検出試薬について現時点での検査技術水
準等を踏まえた適正使用情報を医療関係者に提供するため、事前に作成した共
通の試験方法に基づいて各企業が実施した自主点検の結果がとりまとめられた。
本号では、企業が実施した自主点検結果を紹介する他、この結果を踏まえ、イン
フルエンザウイルス抗原検出試薬の使用上の注意等、添付文書の記載内容の一
部が改訂されたので、医療関係者に対して使用上の注意、性能情報等に留意の
上、診断目的に応じた製品を選択する等、適正使用を呼びかけることとした。
No.194号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する医薬品による脳出血に
係る安全対策について
医薬品等: 塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する医薬品
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:最近、塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)を含有する医薬品において企
業及び医療機関等により厚生労働省に続けて脳出血等の副作用症例が4例報
告され、以前米国の疫学調査結果を受けて脳出血について注意喚起を行った
平成12年11月以降、前述の4症例を含め一般用医薬品で5例、医療用医薬品で
2例の副作用症例が収集されたことから、PPAを含有する医薬品について使用
上の注意の改訂、情報提供の徹底並びに代替成分であるプソイドエフェドリンを
含有する医薬品等への速やかな切り替えを行うこととした。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
インターフェロンガイマ−1a(遺伝子組換え)、
エポエチンアルファ(遺伝子組換え)、エポエチンベータ(遺伝子組換え)、
コルヒチン、ボグリボース
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.192)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.193号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
イソニアジド、インフルエンザHAワクチン、塩酸ノギテカン
スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム配合剤、バルサルタン
フルオロウラシル、リン酸オセルタミビル
前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.191)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
No.192号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 一般用かぜ薬による間質性肺炎について
医薬品等:
アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド
サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン又は
イソプロピルアンチピリン等を含有するかぜの諸症状の緩和を効能又は
効果とする一般用医薬品
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:一般用かぜ薬において、死亡例はないものの計16種類の製品群(有効成分
の種類及び含量が同一のものを1製品群とする。)における計26症例が当該医
薬品との因果関係を否定できない間質性肺炎の症例であると考えられたことか
ら、これら16製品群の計42品目の一般用かぜ薬について、「間質性肺炎」に関す
る注意喚起を行った。
更に、これらの一般用かぜ薬と同様の成分及び薬効を有する一般用かぜ薬に
ついても、これまでに間質性肺炎の報告はないものの、同様の使用上の注意事
項の変更を行うことが適当であると考えられたことから、一般用かぜ薬全般につ
いても、「間質性肺炎」に関する注意喚起を行った。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化マグネシウム・塩化カルシウム・
炭酸案水素ナトリウム、塩酸アマンタジン、ザフィルルカスト、
サラゾスルファピリジン、ナテグリニド
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.190)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.191号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 ワイヤレスカードシステム等から発射される電波による植込み型の
医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)への影響について
医薬品等: 植込み型の医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)
情報の概要:携帯電話端末等による医用機器への影響については、医薬品副作用情報
No.136(平成8年3月号)、No.137(平成8年5月号)及びNo.143(平成9年6
月号)において注意喚起を行ってきたところである。
総務省において、平成12年度より「電波の医用機器等への影響に関する調査
研究」が実施され、今般、ワイヤレスカードシステム等から発射される電波の植
込み型の医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)に及ぼす影響についての
調査がまとめられたことから、当該報告の内容について紹介し、改めて医療関
係者等に注意喚起を行うこととしたい。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: ゲフィチニブ、炭酸リチウム、メシル酸パズフロキサシン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.189)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.190号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 DEHPを溶出しない輸液セット、カテーテル等の医療用具について
医薬品等: DEHPを溶出しない輸液セット、カテーテル等の医療用具
情報の概要:ポリ塩化ビニル製の医療用具から溶出する可塑剤DEHPについては、医薬
品・医療用具等安全性情報No.182において紹介したところであるが、今般、市
場に流通している、DEHPが溶出しない(いわゆる)代替品についての調査結果
が取りまとまったので紹介する。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
インフリキシマブ(遺伝子組換え)、ゲフィチニブ、プランルカスト水和物
メシル酸ペルゴリド、ロキソプロフェンナトリウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.187)以降に改訂を指導した医
薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等と
ともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.189号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 ゲフィチニブにおける市販後安全対策について
医薬品等: ゲフィチニブ
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ゲフィチニブは平成14年7月5日に承認された、手術不能又は再発非小細胞
肺癌に使用されている抗悪性腫瘍剤であり、同年7月16日から販売されている。
海外での承認事例がなく、我が国で初めて承認された医薬品である。ゲフィチニ
ブの副作用である「急性肺障害・間質性肺炎」については、現在までに緊急安全
性情報の配布、ゲフィチニブ安全性問題検討会の開催などにより安全対策が取
られてきているところであるが、今般それらについてまとめるとともに、改めて注意
を喚起することとした。
2 ガチフロキサシン水和物による重篤な低血糖、高血糖について
医薬品等: ガチフロキサシン水和物
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ガチフロキサシン水和物投与との関連性が否定できない重篤な低血糖症例
が75例、高血糖症例が14例報告され、このうち糖尿病患者は低血糖で58例、高
血糖で11例であったが、糖尿病でない患者においても発現していたことから、糖
尿病の患者を「禁忌」とするとともに、重篤な低血糖、高血糖が現れることがある
ので注意すること、本剤の投与に際しては糖尿病の既往の有無について十分確
認すること、糖尿病でない患者においても重篤な低血糖、高血糖が現れることが
あるので患者に十分な説明を行うことなどを「警告」及び「重要な基本的注意」に
記載する添付文書の改訂を行い、併せて「緊急安全性情報」の配布を行い、医療
現場への情報提供の徹底を図った。
No.188号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: アロプリノール、ヒドロキシカルバミド
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.186)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.187号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 「ハイドロヴュー眼内レンズ」使用患者におけるカルシウム沈着の
発生について
医薬品等: 眼内レンズ
情報の概要:ボシュロム・ジャパン株式会社が販売している眼内レンズ「ハイドロヴュー眼内
レンズ」の使用患者において、当該眼内レンズにカルシウム沈着が発生するという
症例が世界的に報告されており、さらに視力低下による当該眼内レンズの摘出症
例も報告されていたことから、国内においてもカルシウム沈着症例に関する情報収
集を行い、注意深く観察してきたところである。
これまでに報告された当該不具合は、すべてシリコーン製ガスケット製品による
ものであることから、当該不具合の発生原因として、製品のバイアルを密封するた
めのシリコーン製ガスケットのシリコーンが関与する可能性が示唆された。従って、
既に安全対策上の措置として、ガスケットをシルコーン製から他の材質に変更して
おり、変更後の製品においては、現時点で当該不具合の発生は認められていない。
しかしながら、既にシリコーン製ガスケット製品をインプラントされた症例に対す
る当該不具合の発生を引き続き、注意深く観察していく必要があることに加え、変
更後の製品における同様の不具合の発生の有無についても観察する必要がある
ことから、今回、当該不具合について紹介するとともに、注意喚起を行うものであ
る。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: エダラボン、塩酸イリノテカン、トリアゾラム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.185)以降に改訂を指導した医薬品
の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに
改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.186号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 IH式電気炊飯器等による植込み型心臓ペースメーカ、植込み型
除細動器及び脳・脊髄電気刺激装置(ペースメーカ等)への影響
について
医薬品等:
植込み型心臓ペースメーカ、植込み型除細動器、脳・脊髄電気刺激装置
(ペースメーカ等)
情報の概要:盗難防止装置、金属探知器及び携帯電話端末等から発せられる電磁波の影
響により、ペースメーカ等が誤動作を起こす可能性について、これまで、平成14
年1月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報No.173」及び平成14年7月発行の
「医薬品・医療用具等安全性情報No.179」等において広く注意喚起を行ってきた
ところであるが、今般、国内でIH(Induction Heating)式電気炊飯器の影響により
植込み型心臓ペースメーカの設定がリセットされたとの症例が報告されたことを
踏まえ、電磁気家電製品から発出される電磁波によって、ペースメーカ等が受け
る影響について製造業者等が自己点検を実施することとし、また、医療関係者
及びペースメーカ等を使用している患者に対しIH式電気炊飯器等の強力な電磁
波を出す可能性のある電磁気家電製品を使用する場合は、そのそばに必要以
上に長く留まらないこと、植え込まれたペースメーカ等が近づくような体位をとら
ないことについて注意喚起することとした。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: カルデサルタンシレキセチル、スルピリド
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.184)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等と
ともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.185号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
塩酸ヒドロキシジン、パモ酸ヒドロキシジン、ザフィルルカスト
トラスツズマブ(遺伝子組換え)、ファモチジン
リツキシマブ(遺伝子組換え)、リン酸オセルタミビル
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.183)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.184号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
ガチフロキサシン、タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム
リン酸フルダラビン
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前々号(医薬品・医療用具等
安全性情報No.181)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要
な副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例
の概要に関する情報を紹介いたします。
No.183号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 卵胞ホルモン/黄体ホルモン併用長期投与と安全性について
医薬品等: 卵胞ホルモン/黄体ホルモン
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:平成14年7月、米国国立心肺血管研究所(National Heart,Lung and Blood
Institute)は、Women's Health Initiativeの研究の一部として実施していた、閉経
期における各種疾患予防のための結合型エストロゲン/酢酸メドロキシプロゲス
テロン併用療法のリスクとベネフィットを評価する臨床試験の中止と、関連する主
な結果を公表した。中止の理由は、HRT群とプラセボ群における浸潤性乳がん
の発生頻度の差が、試験計画時に中止基準として設定したリスクの範囲を上回
ったことによるものである。
今回の米国における一連の決定は、我が国において直ちに安全対策が求め
られる事態ではないと考えられるが、承認されている卵胞ホルモン剤の中には、
更年期障害や骨粗鬆症を適応として使用されている製剤もあることから、使用
上の注意を改訂し、医療関係者に情報提供することとした。今般あわせて、臨
床試験の概要および我が国の状況について紹介するものである。
2 ポリ塩化ビニル製医療用具の使用について
医薬品等: ポリ塩化ビニル製医療用具
情報の概要:ポリ塩化ビニル製の医療用具は、素材が化学的に安定であること、また、柔
軟性・耐久性等に優れていることなどから、内外において医療の場で広く使用さ
れている。
一方、ポリ塩化ビニルは、その特性である優れた柔軟性を保持するために、
材質中に可塑剤が添加されており、この可塑剤(DEHP:フタル酸-2-エチルヘ
キシル)が接触する溶媒中に溶出してくることが知られている。このDEHPの溶
出は、医療用具においても確認され、昨年来、米国FDA等が臨床使用におけ
る患者へのDEHPの曝露について報告している。我が国で平成13年度に実施
された厚生労働科学研究医薬安全総合研究事業において日本の市場流通品
を用いて検証した結果を踏まえ、評価検討し、DEHPを可塑剤として含有する
ポリ塩化ビニル製の医療用具に係る現在の考え方をとりまとめたことから、今
般、これらの知見を紹介するとともに、医療関係者等に対し、臨床上使用され
るポリ塩化ビニル製の医療用具について必要な注意を喚起することとした。
No.182号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: インフルエンザHAワクチン、カベルゴリン
コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(添付物として乳糖を使用している製剤)
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.180)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.181号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: フルコナゾール、マキサカルシトール(外用剤)
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.179)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.180号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 医用機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の
使用に関する指針について
医薬品等: 医用機器
情報の概要:携帯電話端末等による医用機器への影響については、医薬品副作用情報
No.136(平成8年3月号)、No.137(平成8年5月号)及びNo.143(平成9年6
月号)において注意喚起を行ってきたところです。
総務省において、平成12年度より2年間にわたり「電波の医用機器等への影
響に関する調査研究」が実施され、今般、携帯電話端末等から発射される電波
の植込み型の医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)及び医療機関内で使
用される医用機器に及ぼす影響についての調査がまとめられた。この調査研究
の調査結果によると、現在においても平成9年3月不要電波問題対策協議会(
現在の電波環境協議会)において示された「医用電気機器への電波の影響を防
止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」は妥当であることが確認さ
れたことから、当該報告の内容について紹介し、改めて医療関係者等に注意喚
起を行うこととした。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: アレンドロン酸ナトリウム水和物(経口剤)、エダラボン、バルプロ酸ナトリウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.178)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.179号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: メシル酸イマチニブ、ラベプラゾールナトリウム
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.177)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.178号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 医薬品による重篤な皮膚障害について
医薬品等: 重篤な皮膚障害
情報の概要:医薬品の副作用としてスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、
中毒性表皮壊死症等の重篤な皮膚障害がある。これらの副作用の発生頻度は
極めて低いものの、発症すると予後不良となる場合があり、皮膚症状が軽快した
後も眼や呼吸器官などに障害を残すことがある。
これらの重篤な皮膚障害については、2000年(平成12年)11月発行の「医薬
品・医療用具等安全性情報No.163」において紹介したところであるが、今般、ス
ティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、中毒性表皮壊死症等につ
いて改めて注意を喚起するため、厚生労働省への副作用症例報告等をまとめて
紹介する。
2 アジスロマイシン水和物とスティーブンス・ジョンソン症候群、
中毒性表皮壊死症及びショックについて
医薬品等: アジスロマイシン水和物
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:アジスロマイシン水和物は、2000年(平成12年)3月に承認されたマクロライド
系抗生物質である。
本剤によるスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、中毒性表
皮壊死症及びショックについては、海外での市販後の成績に基づき、2000年(平
成12年)6月の発売時より「重大な副作用」として使用上の注意に記載し、注意を
喚起してきた。
発売以降、本剤との因果関係を否定できない、スティーブンス・ジョンソン症候
群21例、中毒性表皮壊死症1例、ショック(アナフィラキシー様症状を含む。)25例
が報告されたことから、「重要な基本的注意」の項に本剤投与時の患者への説明
等を追記するなど使用上の注意を改訂し、より一層の注意喚起を行うこととした。
3 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
サラゾスルファピリジン、芍薬甘草湯、フェニトイン、フェニトインナトリウム、
フェニトイン・フェノバルビタール、フェニトイン・フェノバルビタール・安息香
酸ナトリウムカフェイン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.175)以降に改訂を指導した
医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文
献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.177号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 大動脈内バルーン(IAB)カテーテルによる胸部大動脈損傷について
医薬品等: 大動脈内バルーン(IAB)カテーテル
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:IABカテーテルを使用していた患者が胸部大動脈損傷により死亡したとの報告
を受け、調査を行ってきたが、基本的にすべてのIABカテーテルについて、同様の
有害事象が発生するおそれがあると考えられるため、今般、使用上の注意改訂を
指示し、これらの不具合について一層の注意喚起を図るものである。
No.176号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 C型肝炎ウイルス抗体の検出を目的とする体外診断用医薬品の
適正使用について
医薬品等: HCV抗体検査薬
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:HCV抗体の検出を目的とする体外診断用医薬品(HCV抗体検査薬)には、
EIA法、イムノクロマト法、化学発光法等様々な原理及び手法のものがあり、さら
さらに使用抗原系の違いにより、Core抗体検出、第一世代、第二世代、第三世
代に分類される。
今般、HCV抗体検査薬について、現時点での検査技術水準等を踏まえた適正
使用情報を医療関係者に提供するため、厚生労働省が各企業に指導した国立感
染症研究所による依頼試験の結果がとりまとめられた。
この結果を踏まえ、各HCV抗体検査薬の使用上の注意等、添付文書の記載内
容の一部が改訂されたので、医療関係者に対して使用上の注意、性能情報等に
留意の上、診断目的に応じた製品を選択する等、適正使用を呼びかけることとした。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: 塩酸アマンタジン、メブゾキサン、メキタジン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.174)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.175号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: アカルボース、ザフィルルカスト、ペントスタチン、硫酸ビンクリスチン
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.173)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.174号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 ケトプロフェン外用剤と重篤な接触皮膚炎、光線過敏症について
医薬品等: ケトプロフェン(外用剤)
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:経皮鎮痛消炎剤であるケトプロフェン外用剤には、テープ剤、ゲル剤等の医
療用医薬品のほか、クリーム剤等の一般用医薬品がある。
本剤による接触皮膚炎及び光線過敏症については、これまでも使用上の注意
等で注意を喚起してきたが、本剤の使用後数日を経過してから、長い場合には数
ヵ月を経過してから接触皮膚炎、光線過敏症等の副作用を発現した症例やこれ
らの副作用による皮疹等の皮膚症状が全身に拡大し、重篤化した症例なども報
告されるようになったことから、使用上の注意を改訂し、これらの副作用について
一層の注意喚起を行うこととした。
2 プロピオン酸クロベタゾール(ステロイドホルモン)を含有する
「皮炎霜(ひえんそう)」について
医薬品等: 皮炎霜(プロピオン酸クロベタゾール含有)
情報の概要:アトピー性皮膚炎等に使用される医薬品として、日本では薬事法上承認され
ていない医薬品「皮炎霜」に、既に承認を得ている医薬品とほぼ同濃度のプロピ
オン酸クロベタゾール(ステロイドホルモン)が含有されていることが判明した。
本品を海外から個人輸入(医師個人輸入を含む。)し、使用する例が多く見受け
られるため、その使用に際しては、十分な認識のもとに使用するか、又は患者に
よってはその使用を中止することが必要であることについて、注意喚起を行こと
とした。
3 盗難防止装置及び金属探知器の植込み型心臓ペースメーカ、
植込み型除細動器及び脳・脊髄電気刺激装置(ペースメーカ等)
への影響について
医薬品等: 植込み型心臓ペースメーカ、植込み型除細動器及び脳・脊髄電気刺激装置
(ペースメーカ等)
情報の概要:盗難防止装置及び金属探知器から発せられる電磁波の影響により、ペース
メーカ等が誤作動を起こす可能性については、これまで、平成11年6月発行の「
医薬品等安全性情報No.155」で注意を喚起してきたが、国内で、図書館内の盗
難防止装置の影響による植込み型心臓ペースメーカの設定がリセットされたとの
症例報告があったことを踏まえ、再度注意喚起を行うこととした。
4 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: アルプロスタジルアルファデクス(20μg注射剤)、塩酸ファドロゾール水和物
ザルトプロフェン、ビカルタミド
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.172)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.173号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等: 塩酸ミルナシプラン、チアマゾール、ドセタキセル水和物、ミゾリビン
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.171)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.172号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
カルボプラチン、酢酸リュープロレリン、シタラビン(通常量療法用製剤)、
タルチレリン水和物
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.170)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.171号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 新医薬品の市販直後調査制度について
医薬品等: 市販直後調査制度
情報の概要:新医薬品の承認までに得られる有効性、安全性に関する情報等については、
患者数、併用薬、合併症、年齢等に関する一定の制限のもとに行われる治験等
により得られたものであることから、限定された情報とならざるを得ない。しかし、
新医薬品がいったん販売開始されると、治験時に比べてその使用患者数が急
激に増加するとともに、使用患者の状況も治験時に比べて多様化することから、
治験段階では判明していなかった重篤な副作用等が発現する可能性がある。
こうした新医薬品の特性に応じ、特に市販直後に注意深い使用を促し、重篤な
副作用等が発生した場合の情報収集体制を強化するため、昨年12月に「医薬
品の市販後調査の基準に関する省令(医薬品GPMSP)」が改正され、本年10
月1日から「市販直後調査」制度が施行されるので、本制度の内容を紹介する。
2 B型肝炎ウイルスS抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品の
適正使用について
医薬品等: HBs抗原検査薬
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:HBs抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品(HBs検査薬)には、EIA
法、イムノクロマト法、化学発光法等様々な測定法のものがあり、それぞれの添
付文書には、感度、特異性、再現性、測定範囲等の性能情報が記載されている。
今般、HBs抗原検査薬について現時点での検査技術水準等を踏まえた適正
使用情報を医療関係者に提供するため、厚生労働省が各企業に指導した国立
感染症研究所による依頼試験の結果がとりまとめられた。
この結果を踏まえ、各HBs抗原検査薬の使用上の注意等、添付文書の記載
内容の一部が改訂されたので、医療関係者に対して使用上の注意、性能情報
等に留意の上、診断目的に応じた製品を選択する等、適正使用を呼びかけるこ
ととした。
3 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
コルチコレリン(ヒト) 酢酸ソマトレリン、臭化ジスチグミン(経口剤)、
ソマトロピン(遺伝子組換え)、ファモチジン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.169)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.170号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
アミノフィリン コリンテオフィリン テオフィリン、塩酸テモカプリル
乾燥BCG(膀胱内用)、清心蓮子飲、セフタジジム、ビカルタミド
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.168)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.169号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
塩酸オルプリノン、シンバスタチン、ネダプラチン、フルニトラゼパム(経口剤)
マレイン酸フルボキサミン、硫酸セフピロム
医薬品・医療用具等安全性情報No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情
報」の月刊化について』でお知らせしましたように、前号(医薬品・医療用具等安
全性情報No.167)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な
副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の
概要に関する情報を紹介いたします。
No.168号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 サリチル酸系製剤の小児に対するより慎重な使用について
医薬品等: サリチル酸系製剤
対策: 症例の紹介
情報の概要:1998(平成10)年12月、厚生省(当時)は、わが国におけるライ症候群と解熱
鎮痛剤の使用との関連についての調査研究、米国小児科学会による総合的な
評価等を踏まえ、医療用医薬品であるサリチル酸系製剤について、15歳未満の
水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とする使用上の注意の改訂
の指示を行い、注意を喚起してきた。(平成10年12月医薬品等安全性情報
No.151参照)その後、サリチル酸系製剤を投与された小児で因果関係が否定
できないライ症候群症例3例の報告があったので、あらためて注意を喚起する
ものである。
2 重要な副作用等に関する情報
医薬品等:
塩酸イリノテカン、塩酸リトドリン、サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェ
イン・マレイン酸クロルフェニラミン、セフトリアキソンナトリウム、テガフール・
ギメラシル・オテラシルカリウム テガフール・ウラシル テガフール、フマル酸
クレマスチン、マレイン酸エナラプリル
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.166)以降に改訂を指導した医薬
品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とと
もに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
No.167号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について
医薬品等: 「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化
情報の概要:「医薬品・医療用具等安全性情報」は1973(昭和48)年6月から原則として
隔月で発行されてきたが、医薬品、医療用具等の副作用、不具合等の報告件
数が近年大幅に増加してきたため、医薬品、医療用具等に関する最新の安全
性情報を迅速に医療関係者に提供するため、来月(平成13年6月)中旬に発行
予定の次号から基本的に月刊化することとした。
また、月刊化に合わせて、情報の掲載形式も改め、医薬品の使用上の注意の
改訂の根拠となった症例の紹介、解説等、内容の充実を図っていく予定である。
2
ジャンクソンリース小児用麻酔回路と小児・新生児用気管切開
チューブの組み合わせについて
医薬品等: ジャクソンリース小児用麻酔回路、小児・新生児用気管切開チューブ
情報の概要:ジャクソンリース小児用麻酔回路と小児・新生児用気管切開チューブとの組
み合わせの使用により、ジャクソンリース回路の内管が、小児用気管切開チュー
ブにはまり込んだために、呼気が吐けなくなった結果、小児が死亡するという報
告があった。
当該製品は、それぞれ互いに組み合わせて使用されることを想定して製造され
た医療用具ではなく、また、ジャクソンリース回路のバルーンの拡張を確認するこ
とにより、早期に異常を確認することができると考えられるが、場合によっては組
み合わせにより重大な事故を引き起こすこともあることから、医療関係者へ使用
にあたっての注意喚起を図るものである。
3 硫酸マグネシウム・ブドウ糖とマグネシウム中毒について
医薬品等: 硫酸マグネシウム・ブドウ糖
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:硫酸マグネシウム・ブドウ糖は、子癇を効能とする医療用医薬品である。
本剤によるマグネシウム中毒については、従来より「重大な副作用」の項に記
載し、注意を喚起してきた。
平成9(1997)年以降、本剤との因果関係を否定できないマグネシウム中毒
3例が報告されたことから、「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」等
の項にマグネシウム中毒に関する注意事項を記載し、医療関係者への一層の
注意喚起を行ったところであるが、具体的な症例とともに紹介を行う。、
No.166号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 骨セメント使用時における血圧低下及びショックについて
医薬品等: 骨セメント
対策: 症例の紹介
情報の概要:骨セメントの使用に伴い、血圧低下、ショックが発現することについては、こ
れまで、1992年9月発行の「医薬品副作用情報No.116」及び1998年3月発行
の「医薬品等安全性情報No.147」により、実際の症例や添付文書の「使用上
の注意」の改訂内容の紹介を行うなど、注意を喚起してきた。
その後も骨セメントの使用により血圧低下、ショックを発症し、死亡した症例が
報告されていることから、本号において、改めて医療関係者へ使用にあたって
の注意喚起を図るものである。
2 クラリスロマイシンと肝機能障害、横紋筋融解症について
医薬品等: クラリスロマイシン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:クラリスロマイシンは、1991年3月に承認されたマクロライド系抗生物質である。
本剤による肝機能障害については、承認当初より「その他の副作用」の項に
GOT、GPT等の上昇を記載し、1995年7月には同項に黄疸、胆汁うっ滞等の
肝機能障害を、1997年12月には肝炎、γ−GTP、LDH、Al−P、ビリルビンの
上昇を追記し、また、横紋筋融解症については1999年6月に「相互作用(併用注
意)」の項にHMG−CoA還元酵素阻害剤であるシンバスタチン等との相互作用
として横紋筋融解症を記載し、注意を喚起してきた。
1996年以降、本剤との因果関係を否定できない肝機能障害23例、横紋筋融解
症6例が報告されたことから、「重大な副作用」の項に肝機能障害、黄疸、横紋
筋融解症を追記し、医療関係者への一層の注意喚起を行った。
3 クレオソート・アセンヤク末・オウバク末・カンゾウ末・チンピ末
配合剤と肝機能障害について
医薬品等: クレオソート・アセンヤク末・オウバク末・カンゾウ末・チンピ末配合剤
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:クレオソート・アセンヤク末・オウバク末・カンゾウ末・チンピ末配合剤は、
下痢、食あたり、はき下し等を効能とする一般用医薬品として使用されている。
本剤との因果関係を否定できない肝機能障害3例が報告されたことから、使用
上の注意の「相談すること」の項にまれに起こることがある重篤な症状(副作用)
として肝機能障害を追記し、注意喚起を行うこととした。
4 代用心膜「シェルハイノーリアクトパッチ」使用症例における
遅発性皮下膿症の発生について
医薬品等: 代用心膜
情報の概要:ヨストラジャパン株式会社が輸入販売した代用心膜「シェルハイノーリアクト
パッチ」の使用症例に遅発性皮下膿症(縦隔膜)が発生したとの報告があり、
当該製品は2000年3月に回収を完了している。
当該製品と遅発性皮下膿症との関係等について、2000年9月発行の「医薬
品・医療用具等安全性情報No.162」において紹介したが、その後、さらに得ら
れた情報をもとに専門家の意見を聞いて、検討結果をまとめたので紹介する。
No.165号本文へ(厚生労働省のホームページへのリンク)
1 塩酸サルポグレラートと重篤な出血、血小板減少、肝機能障害について
医薬品等: 塩酸サルポグラート
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:塩酸サルポグレラートは、1993年7月に錠剤が、1999年3月に細粒剤が承認
され、末梢循環改善作用を有する抗血小板剤として慢性動脈閉塞症に伴う虚
血性諸症状の改善に用いられている。
本剤による出血については承認当初より「その他の副作用」の項に消化管出
血を記載し、1996年5月には同項に「吐血、鼻出血等」を追加記載し、また、血
小板減少については1996年5月に「その他の副作用」の項に血小板減少を記載
し、また、肝機能障害については承認当初よりビリルビン、GOT、GPT、Al-Pの
上昇等を「その他の副作用」の項に記載し、1996年5月には肝機能異常を、
1998年6月にはγ-GTPの上昇を追記し、注意を喚起してきた。
本剤との因果関係を否定できない脳出血4例、消化管出血2例、血小板減少
5例、肝機能障害6例が報告されたことから、「重大な副作用」の項を新たに設
け、脳出血、消化管出血、血小板減少、肝機能障害・黄疸を記載し、医療関係
者への注意喚起を行った。
2 オレイン酸モノエタノールアミンと巨大胃潰瘍について
医薬品等: オレイン酸モノエタノールアミン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:オレイン酸モノエタノールアミンは、1991年6月に「食道静脈瘤出血の止血及
び食道静脈瘤の硬化退縮」の効能・効果で承認された。
本剤による消化管障害については承認当初より胃潰瘍出血、十二指腸潰瘍
出血又は胃びらん出血のある患者を「禁忌」とし、出血性胃炎、胃・十二指腸潰
瘍出血を「その他の副作用」の項に記載し、注意を喚起してきた。
本剤との因果関係を否定できない巨大胃潰瘍の症例が4例報告されたことか
ら、「重大な副作用」の項に胃潰瘍に関する記載を行い、医療関係者への一層
の注意喚起を行った。
3 モフェゾラクと消化管出血、肝機能障害、血小板減少について
医薬品等: モフェゾラク
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:モフェゾラクは、1994年7月にプロスタグランジン生合成抑制作用による非ス
テロイド性消炎・鎮痛剤として承認された。
本剤による消化管障害については承認当初より「重大な副作用」の項に消化
性潰瘍を記載し、また、肝機能障害については承認当初より重篤な肝障害の
ある患者を「禁忌」とし、肝障害又はその既往歴のある患者を「慎重投与」とす
るとともに「その他の注意」の項にAST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇を記載
し、また、血小板減少については1998年2月に点状出血を「その他の副作用」
の項に記載し、注意を喚起してきた。
本剤との因果関係を否定できない消化管出血15例、肝機能障害5例、血小
板減少5例が報告されたことから、「重大な副作用」の項に消化管出血、肝機
能障害・黄疸、血小板減少を追記し、医療関係者への一層の注意喚起を行っ
た。
No.164号本文へ(厚生労働省のホームページへのリンク)
1 塩酸ピオグリタゾンと急激な水分貯留による心不全について
医薬品等: 塩酸ピオグリタゾン
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:塩酸ピオグリタゾン投与との関連性が否定できない心不全の増悪あるいは
発症例が5例報告されたことから、心不全の患者及び心不全の既往歴のある
患者を「禁忌」とするとともに、心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、
心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者を「慎重投与」とするなどの
添付文書の改訂を行い、併せて「緊急安全性情報」の配布を行い、医療現場
への情報提供の徹底を図った。
2 インフルエンザ脳炎・脳症患者に対するジクロフェナクナトリウム
製剤の使用について
医薬品等: ジクロフェナクナトリウム製剤
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂
情報の概要:「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」において、ジクロフェナクナトリ
ウムについては、その使用群について有意に、死亡率が高いと報告されたこと、
また、基礎研究においてインフルエンザ脳炎・脳症に特徴的な脳血管損傷の修復
に働く酵素を強く阻害するとの報告があることから、インフルエンザ脳炎・脳症患者
に対するジクロフェナクナトリウムの投与を「禁忌」とするなどの添付文書の改訂を
行い、併せて「緊急安全性情報」の配布を行い、医療現場への情報提供の徹底を
図った。
3 医薬品による重篤な皮膚障害について
医薬品等: 重篤な皮膚障害
情報の概要:医薬品の副作用に皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症等の重篤な皮膚障
害がある。発生頻度は極めて低いものの、発症すると予後不良となる場合があり、
また、皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器官等に障害を残すことがある。皮膚粘
膜眼症候群、中毒性表皮壊死症について改めて注意を喚起するため、厚生省へ
の副作用報告症例や文献等をまとめて紹介する。
4 ニューキノロン系抗菌剤と肝機能障害について
医薬品等: ニューキノロン系抗菌剤
対策: 症例の紹介
情報の概要:ニューキノロン系抗菌剤に肝機能障害等の副作用が報告されていることから、
改めて注意を喚起するため、厚生省への副作用報告も踏まえて紹介する。
5 塩酸フェニルプロパノールアミン含有医薬品の適正使用について
医薬品等: 塩酸フェニルプロパノールアミン含有医薬品
対策: 使用上の注意の改訂
情報の概要:米国イェール大学において、塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)含有医薬品
服用と出血性脳卒中の発生リスクに関する大規模疫学調査結果が報告された。
食欲抑制剤としてPPAを使用した女性群において、出血性脳卒中の高いリスクが
示唆されたなどの結果が得られている。
検討の結果、我が国において直ちに販売中止とする必要はないものの、過量
服用をしないことなどの適正使用の徹底を図った。
6 医薬品・医療用具に関連する医療事故防止対策について
医薬品等: 医療事故防止対策
情報の概要:「医薬品・医療用具等関連医療事故防止対策検討会」の討議内容を踏まえ、
実施することとした医薬品・医療用具に関連する医療事故防止対策について
紹介する。
No.163号本文へ(厚生労働省のホームページへのリンク)
1 ウルソデスオキシコール酸(別名:ウルソデオキシコール酸)と
間質性肺炎について
医薬品等: ウルソデスオキシコール酸
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ウルソデスオキシコール酸(別名:ウルソデオキシコール酸)は1957年3月に
承認された肝・胆・消化機能改善剤である。
ウルソデスオキシコール酸は、年間約280万人に使用されているが、今般、
本剤との因果関係を否定できない間質性肺炎が3例報告されたことから
「重大な副作用」の項を新たに設け間質性肺炎を記載し、医療関係者への
注意喚起を行った。
2 オザグレルナトリウムと腎機能障害について
医薬品等: オザグレルナトリウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:オザグレルナトリウムはトロンボキサン合成酵素阻害剤であり、1988年1月に
「クモ膜下出血後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善」の効能効果
で承認されている。
本剤による腎機能障害については、「その他の副作用」の項に「BUNの上昇」
「クレアチニンの上昇」を記載し注意喚起してきたが、その後急性腎不全等の重篤
な腎機能障害が14例報告されたため「重大な副作用」の項に「腎機能障害」を
追記し、一層の注意喚起を行った。
3 チオルダジンとQT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)について
医薬品等: チオリダジン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:チオリダジンは1962年2月に承認されたドパミン拮抗作用を有する
フェノチアジン系の抗精神病薬である。
チオリダジン投与のよる「QT延長とそれに続く突然死の報告がある」ことは、
1976年に使用上の注意に記載して注意喚起を行ってきたが、本年6月には
使用上の注意を改訂しQT間隔の延長のリスクファクター、Torsades de pointesを
含む心室頻拍を追記するなど適正使用の注意喚起を行った。しかしながら、
本剤の投与量に依存してQT延長の程度が増大するとの報告があることから、
今回「用法用量に関連する使用上の注意」を新設し、更に注意喚起を行った。
4 代用心膜「シェルハイノーリアクトパッチ」使用症例における
遅発性皮下膿症について
医薬品等: 代用心膜
対策: 症例の紹介
情報の概要:ヨストラジャパン株式会社が販売していた代用心膜「シェルハイノーリアクトパッチ」
の使用症例に、遅発性皮下膿症(縦隔炎)が発生したとの報告があり、当該製品は
本年3月に回収を完了している。
このほど、当該製品と遅発性皮下膿症との関係等について、「遅発性皮下膿症
への当該製品の関与は否定できない」及び「患者については、症状の有無にかか
わらず現時点での状況を確認するとともに観察を継続することが必要である」との
検討結果をとりまとめたので紹介する。
No.162号本文へ(厚生労働省のホームページへのリンク)
1 塩酸セフカペン ピボキシルと肝機能障害、血液障害について
医薬品等: 塩酸セフカペン ピボキシル
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:塩酸セフカペン ピボキシルは1997年4月に承認され,各科領域感染症に対して
使用されている経口用セフェム系抗生物質である。発売以降黄疸を含む重篤な肝機
能障害が22例,血液障害として,無顆粒球症5例,血小板減少6例,溶血性貧血が
2例報告されたため,「重大な副作用」の項に肝機能障害・黄疸,無顆粒球症,血小
板減少,溶血性貧血を追記し,医療関係者への一層の注意喚起を行うこととした。
2 インターフェロン−α注射液と溶血性尿毒症症候群について
医薬品等: インターフェロン−α
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:天然型インターフェロン−α注射液は胃癌,多発性骨髄腫の治療薬として1987年
に承認され,現在ではB型慢性活動性肝炎並びにC型慢性肝炎のウイルス血症の改
善,慢性骨髄性白血病等に対しても用いられている。
本剤投与中に溶血性尿毒症症候群が疑われた5例が報告されたことより,「重大
な副作用」の項に溶血性尿毒症症候群を追記し,注意喚起を行うこととした。本剤投
与中は定期的に血液検査・腎機能検査を行うなど観察を十分に行い,早期に異常所
見を検出し対応することが重要である。
3 コンタクトレンズの適正使用について
医薬品等: コンタクトレンズ
対策: 症例の紹介
情報の概要:コンタクトレンズ使用による障害事例については,近年,使い捨てレンズ等の普及
により不適正な使用による障害の発生も懸念されている。平成11年度厚生科学研究
医薬安全総合研究事業「医療用具の適正使用に関する研究」においてコンタクトレン
ズの不適正使用について報告が行われたので紹介する。
4 アリストロキア酸を含有する生薬・漢方薬について
医薬品等: アリストロキア酸
情報の概要:アリストロキア酸はアリストロキア属の植物に含有する成分で,腎障害を引き起こ
すことが知られている。日本においては,現在,アリストロキア酸を含有する生薬及び
漢方製剤は医薬品として承認許可を受けたものとしては製造・輸入されていないが,
アリストロキア酸を含む漢方薬の個人使用によると疑われる腎障害が報告されてい
る。日本薬局方に適合する生薬が使用されていれば問題は生じないが,生薬の呼称
は国により異なる場合があり,取扱いについては注意を要する。
5 「医薬品情報提供システム」の改善について
医薬品等: 医薬品情報提供システム
情報の概要:厚生省では,医薬品の安全な使用を推進するため,医療用医薬品の添付文書情
報及び医薬品の安全性に関する情報をインターネットを介して医師,歯科医師,薬剤
師に提供する「医薬品情報提供システム」事業を平成11年5月から開始している。今
般,副作用が疑われる症例報告に関する情報の掲載方法を改善したので紹介する。
No.161号本文へ(厚生労働省のホームページへのリンク)
1 経口腸管洗浄剤と腸管窄孔について
医薬品等: 経口腸管洗浄剤
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ニフレックは,「大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の
排除」の効能効果で経口腸管洗浄剤として使用されている。本剤は約2Lの大量の水
分を投与することになるため,嘔気,嘔吐,腹痛等の消化器症状がみられるが,本剤
との因果関係が否定できない腸管穿孔が6例報告されたため,腸管穿孔に関する「重
要な基本的注意」及び「重大な副作用」を新たに記載し,医療関係者への注意喚起を
行うこととした。
また,報告例6例中1例において香料が添加されていた。本剤溶解液に他成分等を
添加した場合,浸透圧や電解質濃度が変化したり,腸内細菌によって添加された成分が
に記載し注意喚起を行うこととした。
2 ロキソプロフェンナトリウムと肝機能障害について
医薬品等: ロキソプロフェンナトリウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:解熱鎮痛消炎剤ロキソプロフェンナトリウムは,昭和61年3月に承認されているが,
開発時の臨床試験において,肝機能検査値の異常が認められ,発売当初より使用上
の注意の「禁忌」の項に「重篤な肝障害のある患者」,「慎重投与」の項に「肝障害又は
その既往歴のある患者」,また「その他の副作用」の項に「GOT,GPT,Al−Pの上昇」を
記載し注意喚起を行ってきた。
しかし,平成9年以降,重篤な肝機能障害の症例が8例報告されたため,「重大な副
作用」として肝機能障害に関する項を追加し医療関係者への一層の注意喚起を行うこと
とした。
3
セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)含有食品と
医薬品との相互作用について
医薬品等: セント・ジョーンズ・ワート
情報の概要:セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ,以下「SJW」という。)は主にヨーロッパ
から中央アジアにかけて分布している多年生植物であり,これを含有する製品は米国や
欧州で広く流通し,わが国においても,いわゆる健康食品としてSJW含有食品が流通して
きている。これらを摂 取することにより,薬物代謝酵素であるチトクロームP450,特にサブ
タイプであるCYP3A4及び CYP1A2が誘導されることが知られており,最近になってSJWと
医薬品との相互作用についていくつかの報告がある。
わが国においては,これまでのところ相互作用の例は報告されていないが,SJW含有
食品との併用により効果が減弱するおそれの高い医薬品について「使用上の注意」に
SJW含有食品との併用に関する注意を記載した。
No.160号本文へ(厚生労働省のホームページへのリンク)
1 ベンズブロマロンと劇症肝炎について
医薬品等: ベンズブロマロン
対策: 緊急安全性情報の配布 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ベンズブロマロン投与により、本剤との因果関係の否定できない劇症肝炎を
発現したと評価された症例がこれまでに8例(うち6例が死亡)となったことから、
投与開始後6カ月間は、必ず定期的な肝機能検査を行うこと、患者に倦怠感、食欲
不振等の自覚症状に注意するよう徹底を図ることを新たに「警告」として設けるとともに、
肝障害のある患者を「禁忌」の項に記載するなどの添付文書の改訂を行い、併せて
「緊急安全性情報」の医療機関への配布を行い、医療現場への情報提供の徹底を
図ることとした。
2 プロステロン硫酸ナトリウム製剤とアナフィラキシー様症状等について
医薬品等: プロステロン硫酸ナトリウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:プロステロン硫酸ナトリウムについて注射剤投与例で平成4年11月以降に
アナフィラキシー様症状が4例、過強陣痛が2例報告されている。膣坐剤については、
平成9年7月の承認以降にアナフィラキシー様症状及び蕁麻疹が3例、胎児徐脈が1例
報告されている。これらの報告を踏まえ、膣坐剤については、副作用発現時に直ちに
処置を講じられるよう医師の管理・監督下で使用することとし、注射剤、膣坐剤に
「重大な副作用」を追記し注意喚起を行うこととした。
3 塩酸タムスロシンと起立性低血圧に伴う失神・意識喪失について
医薬品等: 塩酸タムスロシン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:塩酸タムスロシンによる意識障害に関する注意事項は副作用の項に外国での
発現例として記載していたが、今回国内においても血圧低下に伴って発現したと
考えられる失神・意識喪失が報告されたことから、「重大な副作用」として意識障害
に関する項を新たに設け、一層の注意喚起を行うこととした。
4 ガゼイン又はその塩類含有製剤と牛乳アレルギーについて
医薬品等: ガゼインナトリウム(医薬品添加物)
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:錠剤の小型化及び小児用細粒剤の導入に伴いガゼインナトリウムを添加物として
用い始めた製剤(メイアクト)で、牛乳に対しアレルギーのある患者がアナフィラキシー様症状等
の過敏症状を発現した症例が報告されたため、「使用上の注意」を改訂し、本剤投与にあたり、
牛乳アレルギーの有無を確認し、牛乳によるアナフィラキシー等の過敏症のある患者には
投与しないよう注意喚起を行うこととした。
参考)ガゼイン又はその塩類を添付物として含有する医薬品
(今回使用上の注意を改訂した又は改訂中の品目)
No.159号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへのリンク)
1 小紫胡湯と間質性肺炎について
医薬品等: 小紫胡湯
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:小紫胡湯の間質性肺炎については,これまで数度にわたり継続的に
注意喚起を行ってきたがその後平成10年以降も本剤と関連性が否定で
きない間質性肺炎が50例(うち死亡例8例)報告されている。肝硬変又は
肝癌のある患者に使用されて重篤な転帰をたどる例が多いことから,これ
らの患者への使用を禁忌とするなど、注意を喚起することとした。
2 ベシル酸アムロジピンと肝機能障害について
医薬品等: ベシル酸アムロジピン
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ベシル酸アムロジピンは開発時の臨床試験において,肝機能
検査値の異常が認められており,「使用上の注意」に記載し,注意
を喚起してきたが,国内外からの報告症例に基づいて平成10年2月
に「黄疸」を,平成11年2月に「肝機能障害,γ-GTPの上昇」を「使
肝機能障害,黄疸の国内報告が6例報告されていることから,今回,
「使用上の注意」の改訂を行い,医療関係者への一層の注意喚起を
行うこととした。
3 インフルエンザの臨床経過中に発症した脳炎・脳症の重症化と解熱剤の使用について
医薬品等: 解熱剤
情報の概要:平成11年度厚生科学研究「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学
1月から3月までにインフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症し
た事例に対してアンケート調査を実施し,解析が行えた181例(うち15
歳以下の小児170例)について解熱剤の使用の関連性について検討
を行ったとの報告があったが,ジクロフェナクナトリウム又はメフェナム酸
とインフルエンザ脳炎・脳症による死亡との関連については、結論的な
ことはいえない状況にあると考える。
No.158号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページへリンク)
1 ロサルタンカリウムと過降圧に伴う失神・意識喪失について
医薬品等: ロサルタンカリウム
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:ロサルタンカリウムはアンギオテンシン−IIタイプ1受容体を選択的に
阻害する降圧薬として,平成10年8月に発売された。本剤の臨床試験に
おいて,低血圧の発現が認められており,添付文書の「使用上の注意」
に記載していたが,過降圧に伴う失神,意識喪失が報告されたことから,
「使用上の注意」の改訂を行い,医療関係者への注意喚起を行うことと
した。
2 イブジラストと血小板減少について
医薬品等: イブジラスト
対策: 使用上の注意の改訂 症例の紹介
情報の概要:イブジラストは経口の気管支喘息改善剤等として平成元年1月に承認さ
れ,5月より発売された。開発時においてはみられなかった血小板減少
が5例報告されたため,「使用上の注意」の「副作用」の項に「重大な
副作用」を新たに設け,医療関係者への注意喚起を行うこととした。
3 ミノキシジルと動悸・胸痛等について
医薬品等: ミノキシジル
情報の概要:「壮年性脱毛症における発毛,育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」の
効能・効果で承認されたミノキシジル1%含有ローションは,平成11年
6月より薬局・薬店において販売が開始された。しかし,発売後,動悸,
胸痛等の症状が報告されていることから,安全性確保の観点から,消費
者の注意を一層喚起する必要がある。
4 医療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」への対応について(その4)
医薬品等: 2000年問題
情報の概要:平成11年7月末時点での医療用具業界における「コンピュータの西暦2000
年問題」(以下「2000年問題」という。)への対応状況について調査を
行ったところ,マイコンチップ搭載医療用具は8602品目あり,このうち
8101品目(94.2%)については,修正・模擬テストの実施等必要な対応
を完了した。また,2000年問題の対応が完了していない501品目全てにつ
いても,11月末までに対応が完了するよう進められている。
No.157号本文へ(医薬品医療機器情報提供ホームページシへリンク)
1.塩酸チクロピジンによるTTPについて
該当商品名:パナルジン錠、細粒10%(第一製薬)他
年間推定出荷額:500億円
塩酸チクロピジン投与に伴う血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)については、海外文献を基に平成7年6月に「海外での重大な副作用」として注意喚起を行ったが、その後、国内においても同様の症例が報告されたため、平成8年9月に「重大な副作用」の項に記載を行った。更に、塩酸チクロピジンによるTTP発症に関する論文や米国での添付文書改訂が行われたことから、平成10年9月に使用上の注意をより詳細に記載する措置を講じてきた。しかし、本年3月までの半年間で報告数が増加し、発売以来22例(うち死亡例が6例)のTTPが報告されたため、本年6月に「警告」の項を設け、併せて「緊急安全性情報」の配布を指示し、医療現場への情報提供の徹底を図ったので紹介する。
2.プロポフォールの高齢者への投与等について
該当商品名:1%ディプリバン注(ゼネカ)
年間推定出荷額:44.7億円
プロポフォールは平成7年9月に「全身麻酔の導入及び維持」の効能・効果で承認された全身麻酔剤であるが、本年3月に「集中治療における人工呼吸中の鎮静」の効能・効果が追加となった。国内における使用成績調査の集計結果において高齢者に対する副作用発現率が高齢者以外と比較し有意に高かったことにより、注意喚起のため「慎重投与」の項に新たに「高齢者」を追加記載することとした。また、国内での報告はないが、海外において本剤を「集中治療における人工呼吸中の鎮静」を目的として通常量より高用量にて投与した場合に横紋筋融解症が報告されていることからこれらについて紹介する。
3.クエン酸シルデナフィルの症例報告について
該当商品名:バイアグラ錠25mg,50mg(ファイザー)
推定出荷額(発売後5か月間):42億円
クエン酸シルデナフィルは、勃起不全治療薬として本年1月に承認され、これまでに心筋梗塞10例を含む33例の報告があった。これらのうち、医師から処方を受けていたことが確認されているのは8例のみであり、その他は個人輸入と思われる外国製剤、友人からの譲渡された製剤を使用した例、又は入手経路不明の例である。承認後も依然として安易な個人使用が多いことが示唆されているので注意喚起を行うものである。
4.医療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」への対応について(その3)
医療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」への対応状況については、医薬品等安全性情報152号(平成11年2月)及び155号(平成11年6月)において、調査結果を紹介してきた。さらに、平成11年3月末日時点での医療用具業界における2000年問題への対応状況を把握するため、医療用具の製造業者、輸入販売業者、外国製造承認取得者及び国内管理人を対象とした調査を行い、本年7月にその結果を公表したので概要を紹介する。
[情報の概要]==============================
1.透析型人工腎臓装置
(情報の概要)今般,米国食品医薬品庁(FDA)から「血液透析治療に関連した交叉
汚染の可能性に関する安全性警告」が発せられた。我が国においては,
これまで同様の事例は報告されていないが,予期し得ぬ事故を未然に
防止するため,FDAの安全性警告の内容を紹介するとともに,注意喚
起を促すべく各都道府県に通知した。
2.2000年問題
(情報の概要)医療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」への対応状況に
ついては,本情報第152号(平成11年2月)において調査結果の概要
を紹介した。その後,平成10年12月末日時点での医療用具業界におけ
る2000年問題への対応状況を把握するため,すべての医療用具の製造
業者,輸入販売業者,外国製造承認取得者及び国内管理人(以下「製
造業者等」という。)を対象とした悉皆調査を行ったのでその結果を
紹介する。
3.植込み型心臓ペースメーカ,植込み型除細動器及び脳・脊髄電気刺激装置
(情報の概要)近年,万引き防止監視システム(ゲート)の小売店等の出入口への設
置が普及する傾向にある。また,空港等では警備のため金属探知器が
使われている。これらのシステムの発生する磁場が植込み型心臓ペー
スメーカ,植込み型除細動器及び脳・脊髄電気刺激装置に電磁干渉を
及ぼし,患者の健康に影響する可能性があることから,使用している
患者に注意を促す必要がある旨の注意情報が米国FDAから発せられた。
我が国において,当該問題により患者の健康に影響が認められたとの
報告例はないが,今後万引き防止監視システムの普及や心臓ペースメ
ーカ装着者の海外旅行等により,米国FDAが指摘した危険性は増して
いくことが考えられるため,注意喚起を行うものである。