1998年8月 宮崎医科大学医学部附属病院薬剤部調剤申し合わせ
【調剤申し合わせ】
[I]調剤区分
1.外来調剤
2.入院調剤
[II]書記
1.薬袋・薬札の種類
(1)薬袋
内用
外来 小・大(外来・退院)
入院 小 (定期・臨時)
外用
外来・入院 小{坐薬・点眼・点耳・点鼻・その他(塗布、他)}を印字
(2)薬札
外来・入院 内用・外用を印字
2.薬袋・薬札の記載事項
(1)調剤年月日
(2)調剤薬剤師名
(3)薬袋などの数 前2桁:薬袋などの総数
後2桁:処方順位
(4)科名(または病棟名)
(5)患者名
(6)投与日数(内用・坐薬)
(7)用法・用量
(8)その他必要事項(注意事項)
(9)受付番号(外来のみ)
(10)薬品名・服用量(入院のみ)
[III]服用の表示
1.入院調剤
投薬開始日、病棟名、患者名、薬品名および用法・用量が処方ごとに印字される。
2.外来調剤
(1)内袋を使用しない場合
a)錠剤が1種類のとき
b)錠剤が2種類以上で服用回数及び服用個数が同一のとき。
ただし、4種類以上はユニパックを使用する。
c)配合可能な各散薬を混合し、散剤が1種類になったとき。
(2)内袋を使用する場合
a)錠剤が2種類以上で服用個数が異なるとき。
b)散剤が2種類以上のとき。
c)その他(1)に該当しないとき。
(3)服用回数または服用時間の異なる場合は薬袋を別にする。また、内袋による指示が繁雑な場合(割り切れない場合)も原則として薬袋を別にする。(これらの別にした薬品の前に「☆」印を付ける。)
3.内用液剤
薬札を使用する。
組み合わせ水剤の場合は各々に薬札を付す。
ドライシロップは散剤として投与する。(用法印字)
4.頓服薬
内用薬袋(薬札)を用い「とんぷく◯回分」と指示(用法印字)
5.用法(注意事項)の印字
(1)用法(注意事項)は外来のみ印字
(2)用法(注意事項)の内容等
・用時振とうを要する外用剤
・ドライシロップ
・冷所保存の薬品
・冷所保存の軟膏等
・バッカル
・トローチ
・坐薬
・運転注意
・運転禁止
・糖尿病薬
・イソジンガーグル
・強力ポステリザン軟膏、ネリプロクト軟膏
・軟膏
・視力障害
・尿・便の色調変化
・眼軟膏
・滴数服用(ラキソベロン液)
・貼布剤(ニトロダ−ムTTS、エストラダームTTS)
(3)用法紙の使用
[IV]処方せん記入事項
1.通則
(1)処方せんへの記入は鉛筆で行う。医師の処方とまぎらわしいような記入はしてはならない。
(2)処方せんには調剤量、調剤方法など、調剤者以外の薬剤師が判断できる最小限の項目を記入する。
(3)調剤終了後、調剤者印を押印する。
(4)監査を行った者は監査印を押印する。
(5)照合により訂正、追加等を行ったときは訂正事項を記入する。
電話による場合は「Tel」を記入する。
処方文字と異なる色のボールペンによる。
なお、重要と判断されるものには、相手の名前を記載する。
(6)その他、特別の処置をとった場合はその旨記載する。
(7)誤り易い薬品は調剤時に薬品名・規格確認の印をつける。
2.内用散剤
(1)全投与包数を記入する。
(2)別包とすべき薬品名の前に「△」をつけ別包とする。
(3)錠剤を粉砕した場合は当該薬品名の前に「ツ」をつける。
(4)各薬品の全投与量(秤量した量)を各々記入する。
(5)賦形剤を加えた場合は品名及び量を記入する。
(乳糖:SL デンプン:Amyl)
(6)準備薬品と異なる濃度の倍散を使用した場合、または秤量しやすい
ように倍散を調製した場合はその濃度または調製方法を記載する。
(7)予包剤を使用した場合「包」を包数に付ける。(予製剤も同)
(8)既製剤(錠、カプセル、予包剤等)付散剤では既製剤の前に「◯」をつける。
3.錠剤(カプセル剤を含む)
(1)全投与錠数を記入し「T」をつける。
4.内用液剤
(1)水剤で目盛りで服用するものは服用回数×日数(全服用回数)に下線「_」を引く。
(2)その他の液剤は秤量した全量と加えた賦形剤を記載する。
(3)散付水剤では水剤とした薬品の前に「☆」印を付ける。
5.外用剤
(1)秤量した全量を「ml」または「g」で記載する。
(2)容器単位で投与する時は1個中の容量または重量にmlまたはgを付け×本数とする。
(3)坐薬および外用の錠、カプセルは全投与個数に「ヶ」を付ける。
6.その他
(1)内用液剤、外用剤などで容器が2個以上になる場合は容器毎の調剤量を「+」でつなぐ。調剤量が等しい場合は「×」を使用してもよい。
(2)処方内容が訂正となった場合は医事課に連絡する。
[ V ]一般投与法
1.錠剤と散剤が準備されている薬品が処方され、剤形の指定がないとき
(1)散剤と共に処方されたときは散剤とする。
(2)他に混和すべき散剤がないときは錠剤とする。
(3)1回服用量が整数(割線のあるものは半錠も可)とならない場合散剤を使用する。
2.散剤
(1)予包剤(H.8.7.一部改正)
a)服用量が整数包にならない場合や混和する必要がある場合を除き、原則として予包剤を使用する。但し、1回服用量2包までとする。
(例外:エンテロノンR)
b)下記薬品は原則として小分けしない。(吸湿性などのため)
(2)分包
a)分包機の種類
b)分包困難な場合はユニパックなどを使用する。
c)味、色など他の散剤を汚染する危険の著しいものは分包後、分包機を
d)過敏反応のおそれのあるもの(バイシリンG等)はオカダイ式を利用する。
e)顆粒剤の配合された場合は、二段分割による。
(3)組み合わせ散剤
a)処方せんの別包とすべき薬品の前に「△」印を付ける。
b)薬袋には分包する者にわかるような目印を付ける。
c)外来では各々をユニパックに入れる。
(4)賦形剤
a)1包が0.5g未満の場合は、乳糖を加え0.5gとなるようにする。
b)顆粒剤、ドライシロップ剤には加えない。
c)乳糖の配合が好ましくない場合はデンプンを使用する。
(ミルラクトを服用する患者の賦形はブドウ糖を使用)
(5)錠剤の粉末化
a)次の場合は錠剤を粉末化する。
b)散剤が準備されている場合は原則として散剤を調剤する。
(6)その他
a)8日以上の場合はユニパックに入れ投与する。(予包剤を除く)
b)著しく湿り易い薬品を散剤とした場合はユニパックに入れ投与し夏期(5〜9月)は乾燥剤を入れる。
c)総合ビタミン剤(パンビタン末、ワッサーV顆粒)の混合された8日分以上の散剤 もb)と同様とする。
3.錠剤
(1)処方が成分量で示され、錠剤が投与回数で割り切れるとき(割線のあるものは半錠を単位とする)は含量の多い方を優先する。(服用個数を少なくする)
(2)投与回数で割り切れないときは照会する。
(3)入院調剤(緊急を除く)では 下記のものは1回分ずつ分包する。ただし、裸錠の抗癌剤、湿潤しやすいもの等は除く。
a)1件の中に2種以上の錠剤があるとき
b)同種の錠剤で1回服用個数が3個以上のとき
c)半錠を使うとき
d)バラ錠をつかうとき
4.内用液剤
(1)一般水剤
a)ここで一般水剤とは懸濁剤、ドライシロップ剤、エリキシル剤を含まず水を加えて一定量に調剤するものをいう。
b)投与日数は7日分を限度とする。
c)1日分を越すときは液100mlに保存剤(4%パラオキシ安息香酸エチル)を1ml添加する。
d)全量の指示がない場合で1日3回服用のときは通常1日量を下記の1日量に準ずる。
e)通常一般水剤とする薬剤
(2)ドライシロップ剤
(3)シロップ剤等
a)原液または、できるだけ原液に近い状態で投与する。
b)1回量が整数mlとなるようにし、外来では計量カップを添える。
c)エリキシル剤は他とは混和せず賦形の必要な場合は専用の賦形液による。他のシロップ剤は蒸留水により賦形する。
(4)固形剤が配合されたとき
(5)内用液剤は白色ポリ容器に白色のキャップをつけて交付する。遮光の必要のあるときは遮光紙を用いる。
5.外用剤
(1)外用液剤はかっ色ポリ容器に赤色のキャップをつけて交付する。
(2)固形剤(軟膏等)は重量にて秤量し軟膏つぼを使用する。
(3)包装単位で投与し得る場合は包装容器単位で投与する。
(4)点眼薬を小分けまたは希釈したときの容器は下記による。
キャップ 容器
アトロピン 赤 褐色
プリビナ 白 白
上記以外は他の組み合わせを用いる。
【調剤細則】
◎散剤
◆単味の散剤
〇Amy賦形
・ネオフィリン、イスコチン
〇ブドウ糖賦形(乳糖耐性剤)
・ミルラクト
〇その他
・デパケン細粒、セレニカR、パントシン散、アプレゾリン散、テオドールG顆粒、 ヨクイニン末、ソルビトール、・抗生剤、・ドライシロップ剤
◆アルカリ製剤と配合不可
・アスピリン、ベリチーム顆粒、ビタミンCを含むビタミン剤
※ノイエルSは重曹とのみ配合不可
アルカリ製剤
カマグ、コランチル、重曹、AM散、アルミゲル
◎水剤
◆単味の水剤
〇エリキシル剤
・ジゴシンエリキシル、フェノバールエリキシル
〇てんかん剤 (てんかん剤同士の混合可能)
・デパケンシロップ、ザロンチンシロップ
〇その他
・マーロックス、アルロイドG、ポンタールシロップ、プランサスシロップ、インクレミンシロップ、ビソルボンシロップ、ケイツーシロ プ、レフトーゼシロップ
◎錠剤
◆1回量包装対象除外薬品
<吸湿性>
アスパラK、オパルモン、オラセフ、サワシリン、サンディミュン、セルニルトン、デパケン、トリノシン、パンスポリンT、メスチノン、フロモックス
<遮光>
アルケラン、イムラン、クリアミンA、ゼスラン、小児用バファリン、バファリン、フェアストン、プロスタルモンE、ニトログリセリン、メスチノン、ビロプチン
<抗癌剤>
アルケラン、イムラン、エスチノン、エルカルチン、エンドキサン、オダイン、ノルバディスク、ヒスロン、ヒスロンH、ホンバン、フェアストン、ミフロール、メソトレキサート、ラステットS、サンディミュン
<その他>
アドナ、クレメジン